アキレス腱付着部症になる原因は足のオーバーユースだけではない。

アキレス腱付着部症になる原因は足のオーバーユースだけではない。 

 

 特にスポーツをする方にあるケースとして、「少しの痛みならば大丈夫」、「ちょっと休めば治るだろう」と思って、練習を継続してしまう方は多い。アキレス腱と踵の周辺に痛みがあり、初期は重たい痛さではなかったので放置してしまった。それが原因で練習復帰、トレーニングの再開が遅くなり、ライバルに差をつけられる。または生活に支障をきたすようになってしまう。

 アキレス腱と踵の周辺に痛みを感じたら、その「痛み」、絶対に軽く見ないで!この記事を見て、アキレス腱付着部症の初期症状を軽くみてしまったがために治りが遅い、スポーツを楽しめなくなってしまった、そういった方が再び運動ができるきっかけになれればと思う。

 

〇アキレス腱付着部症になるのは体の歪み、使い方も関係している。

 汗を流して爽快な気分にさせてくれるスポーツや運動はそれ自体は人間にとっては精神面も含めて良い影響を与えてくれるものでと思います。ケガもなく、運動を楽しめて、練習を継続して試合で結果を残すことができれば尚、意欲的に取り組めるものであるになるのではないでしょうか?

 しかし、長年使っていく体は少しずつ外的要因も含めて歪んでいく事がほとんどであるというのが現実です。無意識のうちに片側に体重をかけていたり、どこか体の一部を痛めてもそのまま無理して我慢して生活をしていることで患部をかばうような体の使い方をしてしまったり、そういった過去の積み重ねから「歪み」になり、あるときアキレス腱と踵の周辺に痛みが生じてしまう。痛くなる原因は決して、痛い部分だけにあるのではなく、体の重心がずれたりすることから足に不調をきたすようになることが多いのです。

〇アキレス腱炎とアキレス腱付着部症の違いは?

 アキレス腱炎、アキレス腱付着部症、似たような名前ですが両者の違いは何でしょうか?

 まず、アキレス腱炎ですが、ふくらはぎの筋肉とかかとの骨を結ぶ太くて丈夫な腱であるアキレス腱に炎症を起こした状態です。運動をしているときや座っていて歩き始めるときにふくらはぎからかかとのあたりにかけて痛みを感じることがあります。
 ほかにもアキレス腱を軽く触ると痛みを感じる以外に腫れていることがあります。アキレス腱炎は剣道や陸上、ジャンプスポーツなどの運動選手に多くみられます。

 一方でアキレス腱付着部症はアキレス腱と踵の骨の付着部周辺に痛みや腫れが生じ、足首を上向きに曲げたときに強い痛みが生じるため、歩いている時や靴を履いているときなどに痛みを感じることが多いです。
 踵が深い構造の靴を履くことで摩擦が生じて悪化することもあり、それが進むと安静時にも痛みが続くようになります。

 

〇なぜ、オーバーユースや体の歪みからアキレス腱付着部症が起こって

 しまうのか?

 ふくらはぎの筋肉が足首付近で腱になり、踵の骨に付着しているアキレス腱。
 靱帯の腱の中で最も大きくて強いアキレス腱は歩行時やジャンプ時に筋肉の力をそのまま伝える働きをする腱である。

 主な原因として、スポーツや仕事によるオーバーユース(使い過ぎ)が主で、他には踵の骨や足の形の異常、筋肉の柔軟性低下、不適切な靴を履くことで生じる摩擦などもあげられ、仕事で履いている安全靴も原因として含まれいます。

 

運動時などにアキレス腱と踵の骨の付着部に加わる強い引っ張る力、また、引っ張られたときに腱と骨が接している部分にかかる圧迫力があります。
 オーバーユースでこれらの負荷が繰り返し加わることで血流や血管が少ないアキレス腱に小さな断裂が生じて治らないうちにスポーツなどを続けて断裂などを引き起こしていき、これが積み重なると痛みに変わっていきます。

 断裂の繰り返しでアキレス腱と踵の骨との付着部が変性し、痛みが生じるようになる。
 さらに進行すれば肉芽形成、石灰化、骨棘の形成など組織の変化も出るようになっていきます。

〇アキレス腱付着部症の一般的な治療方法は?

 アキレス腱付着部周辺を押さえたときの痛みやつまんだときの痛み手で足首を上に曲げて強い痛みが生じるかを確認します。
 病院ではX線検査にて、踵の骨折や変形、骨棘の有無、必要であればMRIにてアキレス腱の断裂や踵の骨の出っ張りと腱の間に炎症が見られるかを確認します。

基本は保存療法
 内容としてストレッチの指導、装具療法と言って靴の中敷きで歩行時の腱の痛みと腱にかかる負荷を軽減していきます。
 薬物療法においては痛みの軽減を目的に非ステロイド系消炎鎮痛剤の経口剤や外用薬を使用します。
 手術療法では、内視鏡を使ったもので腱の変性した部分やかかとの骨の出っ張りなどを除去していきます。

〇骨盤王国ではどのように治療をしていくか?

 アキレス腱と踵付近の痛みだけにフォーカスをするのではなく、体の全体のバランスを見て、重心がずれていないか、そこから原因を見つけていきます。
 また、過去の既往歴やケガしたときにどれくらいの期間をかけて治し、そのときにどのような治療をしたのか、そこも確認していきます。


 痛みがある場所に原因があることもありますが、多くはそれ以外のことが多いです。その原因となっているのは自律神経、または内臓のことが絡んでいることがあったりもします。筋肉の硬さや関節の動き、姿勢も大切な部分ではありますが、違った視点から原因を追及していくことで改善方法を模索していく、それがわたしたち骨盤王国の考え方でもあるのです。

 

〇最後に

 アキレス腱付着部症についてお伝えさせて頂きました。当院では整形外科さんが行っている電気治療などは行わず、トントン療法を中心に手技で症状改善に努めてまいります。
 また、痛いところだけに着目するのではなく、体全体を見て歪みや普段の生活習慣から痛みの原因を追及していきます。とくに体のバランスや重心のズレはどの症状であっても治る土台となりますので、アキレス腱や踵周辺に軽い痛みを感じたら自分だけで判断するのではなく、ぜひ当院を含めて専門の先生に相談されることをおすすめいたします。
 どこにいっても治らなかったという方、ぜひとも骨盤王国に一度お話も兼ねて来院をしてみてください。スタッフ一同、お待ちしております。