ここでは顔面神経痛(三叉神経痛)についてお話ししていきます。
顔面神経痛(三叉神経痛)とは?
一般的には「顔面神経痛」という言葉のほうが聞き馴染みがあるかもしれませんが、実は顔面神経痛という疾患名は存在せず、医学的には「三叉神経痛」という呼び方になります。
三叉神経痛とは、顔面の皮膚や口の感覚を司る三叉神経に障害が起こることによって痛みが生じる疾患です。(※顔面神経麻痺=ベル麻痺と混同されることもありますが別の病気になります。)
年代でみると40歳以降の発症が多く、性別では女性が多く、男性に比較して約2倍の頻度で発症すると言われています。悪化すると食事もできなくなるなど日常生活にも支障をきたし、体力の消耗とともにうつ状態になるケースもあり、軽視できない問題になります。
三叉神経痛の症状
顔面の皮膚、口腔内の粘膜、歯と歯茎の感覚を司るのが三叉神経です。この三叉神経の支配領域にビリッとした瞬間的な激痛が発生します。
症状は顔面の片側に出ることがほとんどで、三叉神経痛の痛みには以下のような特徴があります。
☑️顔面の表面を刺すような、あるいは電気が走るような、するどく激しい痛み
☑️発作的で、一瞬の痛み(長くても2分ほどしか持続しない)
☑️痛み発作のないときは全く無症状で、その他の脳神経症状を伴わない
☑️きっかけになる動作(トリガー)がある:食事、歯磨き、髭剃り、化粧、洗顔、など
☑️それぞれの患者さんごとに定型化した症状:同じ症状のくりかえし、一定の部位、決まったトリガー
三叉神経痛の原因
三叉神経痛の一般的な原因は、異常な位置にある動脈が三叉神経を圧迫してしまうことです。
動脈による圧迫以外の原因としては、まれに脳腫瘍や脳動脈瘤、動静脈の奇形による三叉神経の圧迫があります。脳腫瘍がある場合は、持続的な顔の感覚低下や聴力低下、複視(ものが二重に見える)といった脳神経症状を伴います。
一般的な対策
まずはMRIやCT検査などで脳腫瘍などの問題がないかを精査します。
脳腫瘍などの問題がなく、動脈の圧迫による三叉神経痛に対しては、薬物療法とブロック療法が主に選択されます。痛みが強い場合は手術を選択することもあります。
「薬物療法」
カルバマゼピン(薬品名テグレトール)が有効で、逆にこれが効かない場合は三叉神経痛ではない可能性もあります。(診断的治療)
三叉神経痛の多くの場合、まずはこの薬を試してみて、薬の量を調整しながら痛みのコントロールをしていきます。神経を麻痺させる作用があるため、副作用として眠気やふらつきなどがおきることもあります。
「ブロック療法」
三叉神経を直接麻痺させることによって痛みを抑えることができます。麻痺させる方法としては、局所麻酔薬の注射、アルコール注射、加熱による焼灼などがあります。
ブロック療法は薬物療法に次いで体の負担が少ない方法です。しかし、感覚神経自体を障害あるいは切断してしまい、顔の感覚が鈍くなるというデメリットもあります。
「外科手術」
微小血管減圧術と呼ばれる手術が行われます。三叉神経と圧迫している動脈を分離して、その間にスポンジを挟みます。
開頭手術になるので、ほかの方法と比べると身体的負担は大きく神経障害などのリスクもあります。手術をすればほとんどの場合は痛みは軽減しますが、15%ほどのケースで再発するとも言われています。
骨盤王国では
骨盤王国では、三叉神経痛の方に対して顔面や頭部だけでなく「体全体へアプローチ」をしていきます。
なぜ痛みのある部分だけでなく体全体へアプローチが必要なのでしょうか?
それは骨盤王国では痛みがある部位以外にも原因があると考えているからです。
三叉神経痛の原因は、ほとんどの場合が異常な位置にある動脈による三叉神経の圧迫だと言われています。しかし、血管の形態に異常がない場合でも三叉神経痛が発症することもあれば、手術によって物理的に圧迫を取り除いたとしても再発する場合もあります。