足の内くるぶしに痛みや腫れが生じたら・・・。

〇足の内くるぶしに痛みや腫れが生じたら・・・。

 小・中学生の運動をしているお子さんを持つ親御さんにぜひ読んで頂きたいと思っています。
 外脛骨障害はあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、お子さんの思春期に起こると言われているこの疾患。思春期とお聞きすると多くの親御さんの中で「成長痛」と考えてしまう方も多いのが現状です。
 足の内側の出っ張りが痛くなる、靴などに当たって辛い、これが常に頭の中にあると生活にも
影響を与えるようになります。そうなると、体の使い方が悪い方向へいき、歪みや不調につながっていきます。思春期は体が良く動くときでもあり、身体能力も上げやすい時期なので、外脛骨障害で痛みとの闘いにとられたくはないのが私たちの思いです。外脛骨障害を知り、骨盤王国での治療法も伝えつつ、痛みから逃れるヒントを得られればと思っています。

〇外脛骨ってどのような骨?

 

 まず、外脛骨とは何か?それをおさらいしていきましょう。外脛骨とは足を構成する骨の一つである舟状骨の内側に位置する余分な骨(過剰骨)のことを指します。約15%の人に存在すると言われていて、外脛骨障害は思春期の運動量の多くなる時期に発症すると言われています。
 特に女性に多く発症すると言われており、成人では捻挫などの外傷が原因で痛みが発症することもあります。

 特に外脛骨が突出している形状の人や偏平足、回内足があると外脛骨に負担がかかりやすいため、激しい運動をしなくても長時間の歩行や立ち仕事などでも痛みを生じることがあります。

〇外脛骨障害とはどのようなものか?

 外脛骨障害の特徴的なものとして、足の内側の出っ張った部分が痛いという症状があります。内くるぶし周辺に痛みが出て、腫れることもあります。

 10~15歳の思春期に発症することが多い足部の障害で運動を繰り返しているうちに徐々に痛みが増してきたりします。捻挫などの外傷がきっかけとなって発症することもあります。重度の場合、靴に当たるなどの症状が出て痛みを生じることがあります

〇なぜ、外脛骨障害は起こるのか?

 外脛骨は足の全体構造には寄与しない過剰骨で通常は存在せず、たとえそれがあっても特に痛みや腫れがなければ問題は特にありません。

 仮に外脛骨があったとします。外脛骨があると、足のアーチを引き上げるための後脛骨筋腱が舟状骨に付着せず、外脛骨に付着しています。

 通常は問題ありませんが、足の構造が崩れているような方は常に後脛骨筋が緊張し、アーチを引き上げようと働きている状態になっています。

 このとき、外脛骨は後脛骨筋腱とともに上に引っ張られ、舟状骨との間に炎症を生じてしまいます。急激な運動負荷や外傷をきっかけとして痛みが発生します。炎症を起こしてしまうと内くるぶしの出っ張りが腫れて靴を履くときに当たって痛みを発して生活に影響を及ぼすようになっていくのです。

〇外脛骨障害の一般的な治療方法

 症状を繰り返す場合でも15~17歳の骨成長が停止する頃には自然治癒することが多いため、基本的には保存的治療を行う。

 発症初期には運動制限、安静(外固定併用)を行うが、症状が継続する場合、ステイロイド剤の局所注射を行ったり、外脛骨部への刺激を軽減する目的で足底板を使用することもあります。

症状が続く場合、外科的切除、または剥離が勧められています。

装具療法として内側縦アーチの保持を目的としたインソールを使用することもあります。

〇骨盤王国ではどのような治療を行うのか?

 歩き方をはじめ、辛いときの姿勢などを見て、体のバランスを確かめてどこに負担がかかっているがために外脛骨障害になっているのか、その原因を探っていきます。
 特に肩と骨盤の高さや歪み、捻り度合などは重視しています。また、外脛骨障害は足の疾患ではありますが、体全体を診た時に神経のつながりや内臓が原因であったり、背中や肩甲骨、そして腰が硬いがために足に痛みが生じていることがあります。

 当院では基本、指圧や音が鳴る矯正などは行いません。トントン療法といってソフトかつ波動のような刺激で体の血流を良くしていくことから着手していきます。
 それを行うことで痛みが治りやすい体にすることが症状改善の近道になるのです。痛いところだけにフォーカスせずに全身の血流を良くするだけでも外脛骨障害で辛い部分が楽になったりします。多くの怪我や体の痛みは辛いと感じる場所に原因がないことがほとんどです。
 長年の疲労の蓄積や癖、誤った体の使い方が原因で起こっていることが多いのです。

〇最後に

 これまで外脛骨障害についてお伝えしてきました。
 10~15歳の思春期の子供に発症するといわれていますが、だからこそ、お子さんが足首の内側の出っ張りが痛いと言うことがあったら、早めに医療機関に診てもらう、整体院に相談して施術を受けてみるといった対処をすることがお子さんの足の将来を守ることになります。
 子供の頃のケガによる痛みを我慢してしまったがために歩き方に負担がかかりやすい癖がついてしまったり、足をかばうがために腰や膝を痛めやすい体になる、そうなる前にどういう疾患なのかを知り、手を打つことの大切さを少しでも感じてもらえたら幸いです。