強剛母趾の痛み、決してそこだけが原因ではなく、体の血液循環が悪いことも関係している。

〇強剛母趾の痛み、決してそこだけが原因ではなく、体の血液循環が悪いことも関係している。

 「母趾の付け根が痛い」、お医者さんに症状を伝えるとよく痛風と間違われることが多いです。それが強剛母趾です。あまり聞きなれない疾患かもしれませんが、外反母趾とはまた違う痛みや生活への影響があります。最もひどいものになると足の親指が曲がらなくなるといった辛い症状ができてきます。イメージして頂くとわかりますが、足の親指が曲がらないというのは正直、かなり不便です。
 この疾患は決して他人事ではありません。「もし、自分がこうなったら・・・」と思ったらしんどいと多くの方が思うことでしょう。でも、万が一、強剛母趾に

なったとしてもその原因と治療法を知っていれば辛さや痛みから脱することができます。まずは強剛母趾について知っていきましょう。

〇外反母趾と強剛母趾の違い

 外反母趾と強剛母趾、どう違うのかを見ていきましょう。


 外反母趾とは足の親指が人差し指側に曲がり、親指の付け根が内側に突きでることによって、痛みや腫れ、それがもとで歩行困難、痺れが起こったりします。
悪化すると親指が人差し指や中指の下に入り込み、関節が亜脱臼(関節が外れそうな状態)することによりさらに強い痛みが生じて歩くことが困難になるのが

一般的な症状です。

 強剛母趾は発症のメカニズムが外反母趾と同じで足の骨格構造の歪みが原因です。強剛母趾が進行すると、親指の関節の間の軟骨が擦り減って次第に骨同士がこすり合わされるようになっていきます。関節の骨がくっついてしまうと、歩くときに親指の付け根で踏み返すことができなくなります。

外反母趾と強剛母趾で一番違うのは見た目かもしれません。

〇強剛母趾の症状って?

 母趾の付け根が痛くなる、そうお医者さんに伝えると痛風と言われることも多い。強剛母趾は外反母趾と同じような足の骨格的な異常(遺伝、他疾患含む)や歪みが原因で発症します。外反母趾は母趾が変形しているため、関節内部へのダメージは起こりません。

 しかし、強剛母趾は変形(見た目)は大きくないが、関節内部へのダメージが強く、重症化すると炎症を起こして、それを繰り返すと関節が破壊され、母趾が

全く曲がらない状態になってしまいます。
 親指を上に反らす状態になるので、痛くて歩行困難になり、歩きづらさから足の他の部分に負荷がかかり続けて痛みが出るようになります。また、関節に骨棘という骨のトゲのようなものが出ることもあり、この骨棘が靴に当たって痛みが出て気になり続けることが多くなります。

〇強剛母趾はなぜ起こるのか?

 強剛母趾は母趾中足趾節関節(MTP関節)の変形性関節症によって生じる疾患です。
 骨と骨をつなぐ関節は表面を軟骨で覆われていて、軟骨には関節にかかる衝撃を和らげ、関節の動きをスムーズにする役割があります。この軟骨がすり減ったり、変形をしていくことで骨と骨の隙間が無くなっていきます。そうすると、痛みや腫れを起こす疾患が変形性関節症というものです。

 究極を言うと、なぜ変形が起こるのか、原因は明らかにはなっていません。繰り返しの微小なケガ、骨の形態異常などが要因となっていると考えられます。

〇強剛母趾の一般的な治療法

 軽症の場合、治療の基本は外反母趾と同じように医療用インソールによる全体構造の補正と歩行機能訓練が中心となります。

 重度で母趾が動かない場合は「関節温存形成術」という手術を行います。この手術は関節をただ動くようにするだけではなく、関節内の力の逃げ道を正しい力の

方向へ導くように機能再建を行うことが重要な目的です。両方の足が同時に重症化することは少なく、多くは片側のみの手術となり、術後の復帰も非常に早いです。
インプラントを入れたとしても外反母趾と同様、骨に吸収され、後に抜く手術も必要ありません。

〇骨盤王国ではどのように治療をしていくか?

 まずはどのようなときに痛みを感じるのかをお話から伺います。多くは歩くときや立っているとき、走るのはもちろんですが、階段の上り下りなど生活に影響を与えていることが多いです。

 そして、体の重心がズレていないかどうかを必ず見るようにしています。肩や骨盤の高さが違うだけで足の母趾にかかる負担が減り、痛みが軽減することがあります。

 強剛母趾が起こっている部分も含め、足関節には骨も多く、グリグリとマッサージをすれば良いものではありません。

 なので、骨盤王国ではトントン療法で骨や関節の部分にも刺激を与えながら関係する筋肉を緩めていき、症状改善につなげていきます。トントン療法は波動を介して、実際に叩いているところだけではなく周囲の筋肉の血流も良くしていきます。

 足の指の疾患ではありますが、大元は体内の血液循環の悪さがもとで起こっています。そこを改善することでも強剛母趾の改善に大いにつながっていきます。

〇最後に

 強剛母趾について伝えさせて頂きました。骨盤王国では痛いところだけにフォーカスせずに体全体の血液循環を良くしていくことが辛い部分の症状改善になると考えています。長年使っていた体なので、その一部分が不調になってしまう、それがどこに原因があるのか、それを追及して関係しているところを治療する。肝心なのは諦めないでほしいということです。

 どこに行っても治らなかったという方、ぜひとも一度、骨盤王国に来院されて私たちに辛さや悩みを打ち明けてみてください。